お役立ち情報|ITエンジニアのキャリア開発のヒント ⑤

ITエンジニアのキャリア開発のヒント

第5回「求められている役割を考える」

こんにちは。オイコスコラム編集部です。

今回のコラムでは、「ITエンジニアのキャリア開発」と題して、株式会社永和システムマネジメントでサービスプロバイディング事業部担当部長を務めている岡島幸男さんに、これまでのキャリア形成のお話や身に付けるとよい考え方やスキルについて伺いました。

<岡島 幸男氏(Yukio Okajima)プロフィール>
株式会社永和システムマネジメント 事業本部サービスプロバイディング事業部 担当部長1971年福井県生まれ。同志社大学経済学部卒業後、株式会社 永和システムマネジメントに入社。自社製品の企画・開発や、Webシステムの受託開発を中心にキャリアを積み、2003年より、サービスプロバイディング事業部にて主にソフトウェア開発の現場リーダーを行う。最近は、複数のプロジェクトチームのマネジメントも行う部長という肩書きも増え、福井と東京を往復する日々を過ごしている。趣味はクワガタのブリード。愛読書は新渡戸稲造の『武士道』

著書『プロジェクトを成功させる現場リーダーの技術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797333502/tecmor-22

『受託開発の極意―変化はあなたから始まる。現場から学ぶ実践手法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4774134538/tecmor-22

ブログ「TECH-moratorium:テクモラトリアム」
http://d.hatena.ne.jp/HappymanOkajima/

株式会社 永和システムマネジメント
http://www.esm.co.jp/

エンジニアから管理職へ

ソフトウェア開発現場で第一線のエンジニアとして、キャリアを積んできた岡島さん。35歳で管理職となり、現在は19人の部下を持ち、常時6〜7のプロジェクトを束ねていらっしゃいます。管理職になった時には、どんなお気持ちでしたか?

【以前は管理職がいやで、エンジニアとしていっぱしになりたいという気持ちが強かったのですが、なってしまえば、それほどではないと感じています。後輩や他の会社の人など、自分よりすごい人に会うと、こういうところでまともに勝負してもだめだと思ったのが一つ。

エンジニアとしてやっていこうと思ったがゆえに、自分の限界を悟ったとも言えます。もう一つは、そういう優秀な人たちを扱う楽しさという2つの側面があります。

昔から、技術者をプロデュースするのが好きで、10年位前にたまたまそういう仕事がありました。先輩をうまくのせながら、ソフトを作ってもらうのですが、それが面白かったという体験があります。

自分はずっと一つの会社にいますが、管理職になったのは一つの転機と言えます。この業界では、「35歳定年説」があり、うまい具合にキャリアチェンジできたと思います。

「立場が人をつくる」というのはあると思っています。根本的に期待に応えないといやなタイプなので、その時の役割で期待以上のことをしたいと考えています。】【岡島さん、以下同】

Q. 管理職としての仕事のやりがいは、どんなところに感じていますか?

【管理職は、思っていたのとやってみるのでは全く違います。まずは、人の話を聞くことから始めると思いますが、本を読んで知識では納得することはあっても、実際にやってみるとできない。聞くことや話しかけることは、管理職で大事だと改めて実感しました。

当たり前ですが、本気でやらないとだめですね。管理職は自由な時間が多いし、縛られないということがあって、時間の使い方は自分で決めなくてはならない。仕事の成果が全部出てしまいます。今は、1日では成果が出ないと割り切っていて、粘り強くやるしかないと思っています。地道にやらないと、人は伸びないということに最近気づき、これが醍醐味ややりがいにつながっていると言えるかもしれません。】

岡島さんが2006年に出版された『プロジェクトを成功させる現場リーダーの技術』は、管理職になる前に書いた本とのこと。管理職を経験した今は、「リーダーと管理職は違う」という実感があるそうです。どんな違いを感じているのでしょうか。

【この本は、現場リーダーのための本で、プロジェクトを成功させるためのリーダーシップについて書いています。プロジェクトは特定の目的のため、特定の期間のもので、人に頑張ってもらうことが現場リーダーの仕事です。

それに対して、管理職は、組織の役割で期間が長い。部下が成長するまで、5年、10年の単位で組織を見ます。数年先を見越して手をうたなくてはいけないことが、大きく違うと思います。

会社もそうだし、自分のこともそうです。会社を通じて自分自身がどうしたいのか、考えざるを得なくなってくる。自分では考えてないことを、他の人に頑張って考えろとは言えないですし(笑)

管理職になると、自分自身のことを深く考えるようになります。自分は、技術と人にうまく携わりながら、責任ある立場になりたい。たとえば、CTO(chieftechnology officer)など、技術部門のトップになりたいと思っています。

不思議なもので、そういう考えを持つと、自分を鍛えたくなってきます。自分も尊敬されるような仕事を残したいと思うし、立ち振る舞いだけではなく、結果も含めて、だらだらしていることはできないと。かっこ悪いえらい人にはなりたくないですね(笑)】

6「仕事の目的を考える」に続く・・・>

岡島さんがエンジニアから管理職になってのお話、いかがでしたか?

次号6「仕事の目的を考える」では、これまでのキャリア形成のお話や、身につけておいたほうがよいスキルのお話をお届けします。

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★ ITエンジニアのキャリア開発のヒント
5「求められている役割を考える」

岡島さんのお話を元に、エンジニアのキャリア開発のヒントをお伝えします。ここでの「キャリア開発」の定義は、「仕事を中心とした人生を、総合的・体系的に発展・成長させていくこと」とします。

岡島さんが管理職になって、会社を通じて自分がどうしたいのかをより深く考えるようになったというお話がありました。技術部門のトップという目指す姿が明確になったことで、自然と自分自身の振る舞いや意識も変わっていったそうです。

キャリア開発には、キャリアビジョンを描くというステップがあります。キャリアビジョンとは、現在のキャリアを土台にし、将来、自分が望む最も高い目標を指します。キャリアビジョンを描くことで、そこに近づくための課題が見えてきますので、まずは自分の目指す姿を描いてみることをおすすめします。

キャリアビジョンを考える際、自分が求められている役割は何かを考えることも、ヒントになります。岡島さんのお話で「立場が人をつくる」という言葉がありました。期待に応えたい、求められている役割で期待以上のことをしたいという気持ちが動機付けにもなっています。自分自身が望むこととあわせて、"求められている役割"も考えてみることをおすすめします。

この記事が、皆様のコミュニケーションを改めて考えるきっかけになると幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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▷ ITパーソンのためのキャリア開発
  – 1 マネジメントに関する勉強が足りない
  – 2 モチベーションをあげる
▷ ITエンジニアのスキルアップ「コミュニケーション力をあげる」
▷ ITエンジニアのキャリア開発のヒント
  – 1「主体的に動く」
  – 2「自己投資をしよう」
  – 3「コミュニケーションは出会いと経験から」
  – 4「自ら変化を起こす」
  – 5「求められている役割を考える」
  – 6「仕事の目的を考える」
  – 7「人間力を高めるには」
▷ コラム〜「やる気を高める、メンバーの目が輝くプロジェクトマネジメントのヒント」
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