お役立ち情報|ITエンジニアのキャリア開発のヒント ②

ITエンジニアのキャリア開発のヒント

第2回「自己投資をしよう」

こんにちは。オイコスコラム編集部です。

今回のコラムでは、「ITエンジニアのキャリア開発」と題して、 1.「主体的に動く」に引き続き、 株式会社オイコスのチーフメンターとして、コーチング研修や交渉力研修を担当している大坪タカさんにお話を伺いました。

<大坪タカさんのプロフィール>
1964年生まれ。1987年に株式会社資生堂に入社。システムエンジニアとしてシステムの企画・設計・開発から教育指導・オペレーションまで幅広く従事。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科への派遣留学(花田光世教授に師事し、組織人事を専攻)を経て修士号取得。国際事業本部での経営企画業務に携わり、その後退職。ITコンサルティング会社のスタートアップ期を経て独立。現在は研修講師、コーチ、コンサルタント業をメインに活動している。 

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前号 1.「主体的に動く」に引き続き、大坪さんが、自分のキャリアをどのように作っていったか、エンジニアが身に付けるとよいスキルについてお話いただきました。仕事観を変えてくれた上司や大学院の教授、CTIジャパンの榎本氏、コーチングとの出合いなど、いくつかの転機を経て、独立する道を選択することになりました。大学院に入る前に、中小企業診断士の勉強を始め、1999年の試験に合格。2001年、37歳で独立。

【独立後は、最初はITの開発や、人事コンサルティング、プロジェクトマネジメントの教育の仕事をしていました。ただ、開発の仕事は体がきつかったり、一人でやっていると、勉強する機会がなくなることもあり、教育の仕事にシフトしていきました。2005年位からヒューマンスキルに特化しています。現在は、IT業界で教育の仕事をすることが多く、SE時代のプロジェクト体験を活かしています。】(大坪さん、以下【】内同じ)

大坪さんは、現在は研修講師としてヒューマンスキルを教えている。エンジニアやプロジェクトマネジャーに必要なヒューマンスキルについての考えを聞いてみた。

【リーダーは、他のメンバーを引っ張って行く力も大切ですが、メンバーを持ち上げていく(力を発揮させる)ことも大切です。そのためには、相手の状況を見る力が必要になってきます。70年代から言われている「状況理論」(*1)というものがあり、状況に合わせて引っ張ること、持ち上げることを使い分けるのが大切というものです。SEはその通りで、緊急の時は引っ張ってぐいぐいやらなければいけないし、うまくいっている時は引っ張る必要はありません。

技術変化のスピードが激しいので、リーダーが細かいところまで全て知っていて、引っ張っていく時代ではないですよね。メンバーの方が個別にはスキルがあるので、メンバーの能力を最大限引き出すやり方が必要です。メンバーの力を発揮させる、底上げのリーダーシップが必要になってきていると思います。】

*1:「状況理論」1967年にフィードラーが唱えた理論。リーダーの置かれている状況により、有効なリーダーシップスタイルが異なるとする。

大坪さんは、前述の中小企業診断士をはじめ、情報処理技術者(プロジェクトマネージャ、特種)、米国PMI認定PMP (*2)など、数種類の資格を取得している。

*2:Project Management Professional、アメリカの非営利団体PMI(ProjectManagement Institute)が認定しているプロジェクトマネジメントに関する国際資格。

中小企業診断士の資格を取得しようと思ったのは、「世の中を広く知らないとだめだと思った」ことがきっかけ。試験勉強を通じて、幅広く色々なことを勉強できると思ったことも大きいそうだ。資格を取得することが、勉強するモチベーションになっており、「どうせ勉強するのだったら、資格を取得できた方がよい」との考えを持っている。エンジニアに対しては、「もっと自己投資をしよう」というメッセージをいただいた。

【研修の時に伝えているのは、「年収の1割を自己投資に使おう」と言うこと。ブランド物の時計は10年経ったら、50万の価値はないが、自分に投資した金額は10倍位になる。ITに限らず、英会話など、自分の好きなことでいいと思います。もちろん、仕事に必要なことでも。将来、会社の方針が変わる可能性もあるし、合併などもありえます。将来を見据えて、スキルを身に付けていくことをおすすめします。】

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★ ITエンジニアのキャリア開発のヒント
2「自己投資をしよう」

大坪さんのキャリアストーリーを元に、キャリア開発のヒントをお伝えします。「年収の1割を自己投資に使おう」というメッセージ、インパクトがありますね。大坪さんは、「世の中を広く知らないとだめだと思った」ことがきっかけで、中小企業診断士の勉強を始め、資格を取得しています。

スキルアップを考える上で、どんな職種やスキルレベルを目指すのか、目安があると考えやすいですね。これは皆様もよくご存知の「ITスキル標準」をベースに考えると、分かりやすいと思います。目指す職種やスキルレベルがおおよそ決まったら、どんなスキルが必要になるかを把握します。

加えて、今の仕事をする上で、このスキルがもっとあったらよいのにと思うもの、さらに伸ばしたいと思うものもあわせて考えてみてくださいね。その上でスキルアップの目標(いつまでに、何を、どの程度まで達成するのか)を決め、具体的な行動計画におとしていきます。

下記に、エンジニアのキャリア開発やスキルアップを具体的に考える時に参考になるサイトや調査をご紹介します。

◇ 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「ITスキル標準V3」「ITスキル標準」では、11種の職種ごとに35の専門分野を設け、それぞれに対応して、IT技術者個人の能力や実績に基づいて7段階のレベルを規定しています。下記のサイトから、各職種の概要やスキル領域と熟達度指標、知識項目などがダウンロードできます。http://www.ipa.go.jp/jinzai/itss/itss13.html

◇ IT人材実態調査 報告書第1部「IT/組込みエンジニアの問題意識」
pdf http://tinyurl.com/6fh9ml

ITスキル研究フォーラム(略称iSRF)が、ITエンジニアに対して行った調査。ITエンジニアの有効回答者数1393人(平均年齢35.0歳)第3章「5〜10年先に向けたキャリア設計」では、5年先と10年先のそれぞれについて、回答者がどんな職種でどんなスキルレベルを目指そうとしているのかが紹介されています。第4章「スキルの自己評価と向上への取り組み」では、ITエンジニアが身に付けるべきスキルについて、どのように自己評価し、どう向上させようとしているのかが示されています。「現在の仕事に必要なスキル」や「自分に不足しているスキル」での回答は、スキルアップのプランを改めて見直す参考になると思います。

第3部「エンジニア2万人の人材像とキャリア意識」
pdf http://tinyurl.com/5gu5oa

ITスキル研究フォーラム(略称iSRF)が、ITエンジニアと組込みエンジニアに対して行った調査。ITエンジニアの有効回答者数2万1986人(平均年齢34.0歳)組込みエンジニア3710人(平均年齢34.5歳)第3章「ITエンジニアのキャリア意識」では、「将来希望する職種」を現在の職種や年齢層ごとに紹介しています。年齢層ごとの特徴がはっきりと出ており、希望する職種を改めて考える参考になると思います。

今回の記事が、皆様のスキルアップを改めて考えるきっかけになると幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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▷ ITパーソンのためのキャリア開発
  – 1 マネジメントに関する勉強が足りない
  – 2 モチベーションをあげる
▷ ITエンジニアのスキルアップ「コミュニケーション力をあげる」
▷ ITエンジニアのキャリア開発のヒント
  – 1「主体的に動く」
  – 2「自己投資をしよう」
  – 3「コミュニケーションは出会いと経験から」
  – 4「自ら変化を起こす」
  – 5「求められている役割を考える」
  – 6「仕事の目的を考える」
  – 7「人間力を高めるには」
▷ コラム〜「やる気を高める、メンバーの目が輝くプロジェクトマネジメントのヒント」
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